オリンピックに続いて「パラリンピック」が始まります。この「パラリンピック」には私は強い違和感を覚えます。
まず「パラリンピック」という名前自体が「オリンピック」から造られた新語であり、不自然さが拭えません。それに加えて障害を持つ人々にオリンピックの真似事をさせるというのも疑問があります。
稲垣足穂は『白昼見』で次のように書いています。

巷で折にふれて見かけるびっこの人、せむし、また顔面にしみのある人などが、何故か近頃、以前に見たところとは異って、たいそう縁起の良い存在としてわが眼に映じる一事に、わたしは気が付きました。(中略)いわゆる片輪の人々にあっては、普通人が自らの対象として日夜あくせくしているような、一切のくだらない題目が断念されている。

これは誤解を招きやすい文章ですが、足穂の世界観の中ではごく自然な文章です。全文を読めば納得されるでしょう。
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