「私がここで言いたいのは、「ワイセツとは何ぞや?」ということで、実は私は、今回の講座を、一般読者よりも取締当局に読んでほしいと思っている」
私は取締当局ではないが、興味深いので読んでみました。
三島によると、「ワイセツについてもっとも明快正確な定義を下しているのは、ジャン・P・サルトル先生」とのことです。サルトルは「品のよさ」と「品のないもの」を分け、ワイセツを後者に分類します。
たとえば自由に踊っているバレリーナの身体はワイセツではありませんが、舞台に転倒したバレリーナのむきだしになったお尻に、突然ワイセツがあらわれる、という例が挙げられています。
「もっと常識的に言えば、相手の人格をみとめた上での性欲はワイセツではなく、人格から分離した事物としての肉体だけに対する性欲がワイセツだということである。ですからワイセツは観念的であり、非ワイセツは行動的である」ここまで言われると、何となく分かる気がします。性欲がワイセツではなく、品のない性欲がワイセツというわけです。
「サルトルは、ワイセツなものを、一つの本当に熱烈な性的感動を起させない、或る衰弱したもの、無気力なもの、と見ているのです」なるほど。
「文明の栄えるところ、必ずワイセツが伴って来ました」
「ワイセツとは(中略)文明病の別名になったのであります」ワイセツは現代人の不幸かもしれません。
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