「そもそも男の人生にとって大きな悲劇は、女性というものを誤解することである。童貞を早く捨てれば捨てるほど、女性というものに関する誤解から、それだけ早く目ざめることができる。男にとってはこれが人生観の確立の第一歩であって、これをなおざりにして作られた人生観は、後年まで大きなユガミを残すのであります」
これが三島の提言の根拠です。そして三島は「処女だけは断じて避けたがよい」「世の中はよくしたもので・・「童貞喰い」という種類の女族がいる」「世間には、ニセモノ「童貞喰い」も沢山いることを警戒せねばならん」など、「童貞諸兄」に多くの助言をします。
一方、稲垣足穂は「江美留」を主人公とする自伝的小説『弥勒』で放浪画家T(津田季穂)との会話を記しています。
「彼女に子供を生んで貰わねばならぬと希わない以上、女性に交渉を持つ必要はないと彼は考えていた。この次第を打ち開けた時に、Tは、「それを立派だと云わなくて何であろう」と答えた。「快楽主義が時間意識の強調であるに反して、童貞は真実の徳への第一歩である。我々は誰にあっても、覚めてはまた覚め、しばしば魘(うな)されともなるこの時間の夢が絶やされて、いまだ朧げなる、名状すべからざる或る者が自己主張を始めるのを待っているのだ」」
ちなみに私はこの年に至るまで童貞ですが、特に優越感も劣等感もありません。
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