この本は「ミレニアム」の騒ぎを前にした1998年に出版された本で、著者のスティーヴン・コークはスウェーデンボルグの研究家です。日本では高橋和夫と大賀睦夫の共訳で2002年に出版されました。
この本の第4章は「ノストラダムスの予言」という題です。日本でも1970年代から五島勉の本などがよく売れて、1995年1月には阪神大震災、3月にはオウム真理教の地下鉄サリン事件が起きて社会不安が高まりました。
ノストラダムスは占星術師でしたが、コークが説明するように20世紀にはユングの心理学により、占星術は「共時性」(意味のある偶然の一致)の一例として再解釈されるようになりました。
三島由紀夫の『美しい星』でも、大杉重一郎が一雄に「お前は偶然というものを信じるかね」と話しかける場面があります。

人間どもは、電車の中、町中で、何ら関心を持ち合わない無数の他人とも、時々刻々、偶然に会っているのだ。・・仏教徒だけがこの必然を洞察していて、『一樹の蔭』とか『袖触れ合うも他生の縁』とかの美しい隠喩でそれを表現した。そこには人間の存在にかすかに余影をとどめている『星の特質』がうかがわれ、天体の精妙な運行の、遠い反映が認められるのだ。・・この地球の無秩序も、全然宇宙の諧和と異質なものではないのだから、われわれは絶望的になることは一つもない。

コークによると「他方、ノストラダムスが使用したような伝統的占星術は、それよりずっと出来事志向であり、したがって、現代の占星術よりも物質界の現実に関心を抱く傾向がある。伝統的占星術は宿命論を助長した。なぜならそれは、星辰に書かれていると思われる出来事が成就することを予言したからである」ということです。
聖書の『黙示録』などのビジョンは物理的な出来事ではなく、霊界の出来事と見なされるべきかもしれません。スウェーデンボルグによると「最後の審判」は1757年に霊界で行われ、すでに終了したとのことです。
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