https://youtu.be/dq1z1rkjw-E
1970年11月25日、三島事件が起きた時、私は小学校二年生でしたが、残念ながら当時の記憶はありません。それから10年後の12月9日、アメリカのニューヨークでジョン・レノン暗殺事件が起きました。レノンは政治家ではないので「暗殺」は少し違和感がありますが、やはり「暗殺」という言葉が一番ふさわしいように思います。
私は地元の進学校の高校三年生という、とても微妙な時期にありました。前の月に周囲の圧力に屈する形で、志望を理系から文系に変えるという選択をしてしまいました。翌年の3月に東大文Ⅲを落ちて、一浪することになりますが、今では文系・理系の問題は重要ではなかったと思っています。もっと前に大きな分岐点がありました。
それはともかく、ジョン・レノン暗殺のニュースを知って、私は自分が非常に喜んだことを覚えています。レノンを殺した犯人を賞賛する表彰状(?)を書いたほどです。おそらくその頃の私は国家主義や民族主義に惹かれ、人間らしい感情がなくなっていたのではないかと思われます。一浪した後で文Ⅲに合格して上京し、秋の駒場祭が終った頃から鬱状態になっていったのですが、その種(たね)はとっくに蒔かれていたのでしょう。
今思い出すと、当時の報道はひどいものでした。犯人は熱狂的なレノンのファンで、頭のおかしい男で、レノンに頼んだサインが気に入らなかったから殺したと報じられました。
アメリカという国は、本当にどうなっているのでしょうか。古くはマリリン・モンローの不審死、頭を飛び散らせたケネディ大統領、キング牧師、ロバート・ケネディと、枚挙に暇がありません。レノンが殺される直前には、大統領選挙で現職のカーターが敗れ、レーガンが当選していました。次期大統領にとってレノンが目障りだったことは間違いありません。レーガンが当選したとき、高校の教室では「この世の終わりだ・・」と言った同級生もいました。少し大袈裟かもしれませんが、間違ってはいないと思いました。家に帰って母親に話すと、母は笑いながら「東大に入ればいいよ」と言ったのです。私の母はその程度の人間でした。
レノンを殺した犯人マーク・チャップマンは、現在も服役中だそうです。この事件が過去のものでないことを、あらためて感じます。
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