これは村上春樹氏の三部構成の長編小説で、まだ読み終わっていません。いま第二部の後半まで来たところです。『ノルウェイの森』よりは読みごたえがあり、私も認識を改めました。
なぜこの小説を読む気になったかというと、ノモンハン事件が扱われているというのに興味が湧いたからです。村上氏がアメリカで生活している頃、図書館にノモンハン事件の研究書が豊富にあったそうで、氏も「ノモンハン」という異国的な響きが子供の頃から好きだったようです。因みに私はずっと「ノハンモン」と間違って覚えていて、だいぶ大きくなってから間違いに気付いたのを覚えています。前にも書いた通り、若き田中角栄が二等兵として戦った戦場でもあります。
第一部でノモンハン事件の少し前、間宮元中尉がモンゴル軍に捕まって井戸に投げ込まれ、本田伍長に危うく助けられる話は、第二部で主人公が東京の井戸に自ら降りて深い内省をする伏線になっています。モンゴル軍の残虐さはリアルに描かれますが、日本軍の残虐は間接的に描かれるのみです。
第二部で主人公から去っていく妻クミコの兄・綿谷ノボルは、三島由紀夫を思わせるところがあります。第一部で主人公は綿谷に初めて会い、こう考えます。

彼の言動の何かが僕を刺激したわけではない。僕が嫌だったのは綿谷ノボルという人間の顔そのものだった。僕がそのときに直観的に感じたのは、この男の顔は何か別のものに覆われているということだった。そこには何か間違ったものがある。これは本当の彼の顔ではない。

読み終わったら、また書くかもしれません。
お読みいただき、ありがとうございますm(_ _)m