数学者の小野勝次氏が言っていましたが、「左右」を数学的に定義することは出来ないそうです。「詮索しなければ誰でも分かっていると思うことが、詮索すると誰にも分からなくなる」のです。
「左右」は「前後」と同様、人間の身体と結びついた概念で、数学や論理学とは無関係です。人体は前後では大きく違いますが、左右では心臓や利き手など、微小な相違しかありません。それで人間は「前後」はあまり意識しないが、「左右」は強く意識するのです。
鏡に映すと左右が逆になると勘違いしたり、左右が逆になるのに何故上下は変わらないのかと不思議がる人がいますが、正しくは鏡に映すと前後が逆になるのであって、左右も上下も変わりません。
「上下」は少し違います。「上半身」「下半身」という表現はありますが、逆立ちしても上下は入れ替わらないと考えられているので、むしろ地球と人体の間に働く重力と結びついた物理的な概念のようです。「下」は地球の中心方向を指し、「上」はその逆方向になります。
「東西南北」は天文学の概念であり、これも数学や論理学とは無関係です。
交通誘導の仕事をしていると、嫌でも左右を強く意識します。これまでの人生で身体を軽視してきた報いを今の私は受けているのかもしれません。
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