2022年01月

天照大神が天孫降臨で下したとされる「天壌無窮の神勅」では、この国を「葦原の千五百秋の瑞穂の国」と呼んでいます。「千五百秋」は単に長い時間を表しているのかもしれませんが、実数と考えることも出来ます。
その場合、神武東征までの年数とされる「179万2470余歳」との関係が問題になります。この年数はあまりに過大ですので、179と247の二つの年数を取り出して考えてみます。
綏靖から開化までの「欠史八代」の平均在位年数がほぼ60年であることを考慮すると、179は3代、247は4代に近い年数です。従って天孫降臨の年代は紀元前667年から数えて179年遡った紀元前845年と考えられます。(あくまで日本書紀の中の話です)247年遡った紀元前913年は幻に終わった天子降臨の年代かもしれません。
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記紀の「神世七代」はイザナギ・イザナミが生まれるまでの過程を示しており、系図型の神話とも言われます。ウヒジニ・スヒジニは泥や砂を表し、オオトノジ・オオトノべは下半身を、オモダル・アヤカシコネは顔や声を表します。
『古事記』では国産みに続く神産みの初めに大事忍男神が生まれ、続いて家宅六神が生まれます。この神々も神世七代に似た系図型の神話になっています。
石土毘古・石巣比売は岩や土砂を表し、大戸日別は戸口を、天之吹男は屋根を表し、最後に家を表す大屋毘古が生まれます。次の風木津別之忍男神はよく分かりません。風や木の神は後で生まれているので重複しているように見えます。今後の課題です。
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『古事記』神話にある大年神の系図は謎です。大年神は須佐之男命の子とされていますが、大年神の子である羽山戸神が大気都比売神を妻にしているのが奇妙です。大気都比売神は須佐之男命に殺され、五穀の起源になったと『古事記』は記しており、世代が合いません。
大気都比売神の系図が正しいとすれば、大年神は須佐之男命の子ではなく、伊邪那岐命以前の神と考えられます。
そこで神世七代(七代目が伊邪那岐命)を見直してみると、五代目に「意富斗能地神」がいます。極めて似た神名です。『日本書紀』の一書ではこの神を「大戸摩彦尊」と記しており、『古事記』の大年神の系図では娘としてカマドの女神「大戸比売神」が登場します。
伊邪那岐命と伊邪那美命の神生みでは「大戸日別神」「大戸或子神」「大戸或女神」も現れ、この検討も必要になります。
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日の神・天照大神が皇室の祖神とされ、神話で華々しい活躍をするのに対して、月の神・月夜見尊(月読命)はほとんど事績が伝わっていません。唯一その事績が伝わるのが『日本書紀』一書で食物の神・保食神(うけもちのかみ)を殺す神話です。月夜見尊は口から様々な食物を出してもてなした保食神を「口から吐いたものを俺に出すのか」と怒って剣で殺してしまいます。保食神の体の各部分からは稲を含む様々な穀物や蚕・牛馬が生まれ、これが五穀などの起源になったということです。
これによく似た話が『古事記』にあり、須佐之男命が大宜都比売を殺す話になっています。月夜見尊と須佐之男命は同一神だったのかもしれません。月夜見尊の乱暴に怒った天照大神は、それまでは弟と並んで天を治めていましたが、弟と離れて暮らすようになります。これは月の満ち欠けを説明した神話と思われます。
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明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。
年賀状など書かなくなって久しいですが、時間の始まりについて考えてみましょう。
現代科学では宇宙はビッグバンという大爆発で138億年ほど前に始まったと考えられていますが、昔の人々は素朴に神話的に考えていました。「宇宙」という言葉は時間と空間を意味し、中国の古代の書『淮南子』に出ていますが、『日本書紀』でも使われています。
『日本書紀』神代の記述は絶対年代は示されていませんが、イザナギとイザナミが国生み・神生みの最後に日神アマテラスと月神ツクヨミを生み、次いで不具の子ヒルコを生みました。ヒルコは三歳になっても脚が立たなかったので、両親はやむなく船に乗せて放流しました。この「三歳」が『日本書紀』で最初に出てくる時間の経過です。日と月の誕生で時間を計れるようになったということでしょう。
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