天武天皇の末年、686年に1年間だけ使われた「朱鳥」という元号があります。『日本書紀』によると本来は「あかみとり」と読むらしいのですが、訓読みの元号は他に例がなく、「しゅちょう」と読まれることが多いようです。
改元の理由は書かれていませんが、天武天皇の病気が重くなってからの改元であり、病気平癒を祈願する改元と考えられています。天皇の宮である飛鳥浄御原宮もこのときに名付けられたとあり、「きよみはら」と「あかみとり」の類似からもそれが推測されます。
この時代は元号の制度が安定しておらず、『日本書紀』に載っていない「朱雀」「白鳳」という元号も一部に見られ、朱雀は朱鳥、白鳳は白雉の別名だという説もあってはっきりしません。元号が安定するのは701年に始まる「大宝」からであり、以後は中断することなく現在の「令和」に至っています。
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