コメント一覧 (15)

1. • 1. 大本柏分苑です。
   • 2021年05月10日 20:52
   • 高橋和巳の邪宗門（1965年）を梅原猛は、大本は世直しの面が強いが現実社会の肯定という面がある。純粋に世直し思想に徹するが彼の小説の主題ではないか。全共闘時代に聖書のごとく読まれ世界文学の価値もあるこの作品は何なのか。武装蜂起と完全な破滅へと突き進む＜ひのもと救霊会＞という終末願望の仕掛けにある。
     筆先が近代天皇制による神国ナショナリズムとの軋轢による社会的革命性、立替えの為、戦争を辞さない終末論的ラディカリズムを内包している。大本が組織化を進めた大正期はデモクラシーが実現され、裏面では世界戦争を準備していた。60年代を生きる高橋は王仁三郎が持っていた力を拡大し、暴力の帰結で崩壊まで描き尽くす。救霊会という組織が宗教団体という名の政治運動体へのプロセスで、出口なおの世直し思想、王仁三郎の言動と行為を重視し作家としての文学的創造力を発揮する。いかなる信仰集団が描き出されるのか宗教文化のダイナミズムが浮かび上がる。
     
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2. • 2. 大本柏分苑です。
   • 2021年05月10日 21:20
   • 真珠湾攻撃をしたのは、知能レベルの低い東条と昭和天皇のコンビがやってしまった事。東条はピストル自殺をしたが、昭和天皇はマッカーサーに命乞いをした。二人のレベルとはこの程度。大日本帝国とオスマン帝国は似ている訳で、方や中国共産党を生み、方や油が出てしまった中東にユダヤ国家が生まれ、ますます混迷を深めていますね。憲法改正の前に戦争責任を明確にすることがコロナ対策よりも優先しますね。。
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3. • • 3. ふぁーとぅーあんたれす
     • 2021年05月11日 03:07
     • >>1
       >>2
       コメントありがとうございますm(_ _)m
       東条の自殺は未遂に終わり、東京裁判で絞首刑にされましたが、近衛文麿は自殺してしまいました。近衛はソ連でなく米英に早く降伏した方が良いと主張しましたが、アメリカを甘く見すぎていました。
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4. • 4. 大本柏分苑です。
   • 2021年05月11日 21:30
   • 高橋和巳文庫に自筆の邪宗門＜梗概＞が保存されている。ヒロイン行徳にあたる人物が登場しない。実際の邪宗門とは異なった筋書きだ。高橋が構想したテーマがより率直に表現されている。支那事変が始まった年、骨壺を抱いた少年が、新興宗教で経済的に支えられている関西の駅頭に現れ、政府の大弾圧を受けたばかりの教団の古参信徒の農婦に養われるところから物語は始まる。教主が獄中で死に、少年が教主の婿に迎えられ二代教主となる。彼は妻を愛さず、心に神を信ぜず、その頭脳と魁偉な風貌で人々を魅惑し信徒は増大する。教団への批判は教主自ら論破し、しかも彼は神を信じていない。再び国家権力の弾圧を受け、自由都市宣言を発しアナーキズム体制をめざし、一斉蜂起するも自衛隊の武力により壊滅される。教主と従者が大阪貧民窟に現れ、絶食して死ぬ。神よ我を罰せよ、世界よ滅びよと呟きつつ教主は餓死する。全篇を注意深く読んだときわかる仕組みだった。高橋が籠めようとした主題である。この世の全体に対する拒絶の衝動が純粋に表現される。
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5. • • 5. ふぁーとぅーあんたれす
     • 2021年05月12日 03:00
     • >>4
       コメントありがとうございますm(_ _)m
       三島由紀夫の『鏡子の家』で峻吉を右翼に誘う正木も右翼思想を信じておらず「信じていない奴の方が有能だ」と言い放ちます。三島の行動も含め、人間の根本的問題かもしれません。
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6. • 6. 大本柏分苑です。
   • 2021年05月12日 20:32
   • 高橋にとって宗教は過去の問題でなく、現在の問題である。現世利益を希求し、血や利益の原理でなく誓約にある矛盾した性格とした。不安におびえる20世紀の人が欲している価値を、再生しうるひのもと救霊会の基本構造で、時間軸に日本人が育てた自然観、惟神の道、世直し思想があり、空間軸に昭和の社会機構をすえ、あるべき宗教教義と組織論を作るのに三年掛かったという。共同体の紐帯を血や利益の原理でなく誓約、回心、発心に求めている近代的な宗教観でもある。自然観、神惟の道、世直し思想に昭和の社会機構が交差し、古神道的な素材を再編し、現代人が欲している価値を創造する。出口なおと王仁三郎、綾部と亀岡という二つの聖地は対照的な性格がありダイナミズムが生まれる。ひのもと救霊会の開祖行徳まさ、そして亀川仁二郎である。しばしば対立し、派手な喧嘩もする。世直しの思想は立替え立直しが源泉であるが、終末観は浄土宗的で八誓願でもある。自殺容認や餓死は高橋が傾倒したジャイナ教の影響もある。ようお帰り、一列平等は天理教にある。国家神道との違いも強調する。士官候補生が犬養毅暗殺の実行犯となり、テロを正当化する無為神論だった。霊界物語が東西の文献を縦横に用い、霊感を受けた口述された神秘的な聖典でカリスマな創造者である王仁三郎に対し、仁二郎の創造性は制限されている。
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7. • • 7. ふぁーとぅーあんたれす
     • 2021年05月13日 03:32
     • >>6
       コメントありがとうございますm(_ _)m
       壮大な物語も良いですが、私は「一輪の花が世界を大本で支配している」という山形夏雄の救いに引かれます。
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8. • 8. 大本柏分苑です。
   • 2021年05月13日 20:22
   • 言依別（ことよりわけ）は治国別に向って、天国団体の説明を続ける。
     治国「実に天国と云う所は、吾々の想像意外に秩序のたった立派な国土ですな。到底吾々如き罪悪に充ちた人間は将来此国土に上る見込はない様ですな。」
     言依別「決して左様な道理はありませぬ、御安心なさいませ。此処は最下の天国で、まだ此上に中間天国もあり。最高天国もあるのです。猶其他に霊国と云ふのがあって、それ相応の天人が生活を続けて居ます。」
     「其最高天国へ上り得る天人は、非常な善徳を積み、智慧証覚の勝れたものでなければ参る事は出来ますまいな。」
     「厳の御霊の聖言にもある通り、生れ赤子の純粋無垢の心に帰りさへすれば、直ちに第一天国と相応し、神格の内流によって案外容易に上り得るものです。」
     「成程、然し天国にも矢張り自然界の如き太陽がおでましになるのでせうな。」
     「アレ、あの通り東の天に輝いて居られます。貴方には拝めませんかな。」
     「ハイ、遺憾乍ら未だ高天原の太陽を拝する丈けの視力が備はって居ないと見えます。」
     「さうでせう。貴方には未だ現実界に対するお役目が残って居ますから、現界から見る太陽の様に拝む事は出来ますまい。天国の太陽とは厳の御霊の御神格が顕現して、ここに太陽と現れ給ふのです。現界の太陽とは非常に趣が違って居ります。霊国にては瑞の御霊の大神月と現れ給ひ、天国にては又太陽と給ふのであります。霊国の月は現界から見る太陽の光の如く輝き給ひ、又天国の太陽は現界で見る太陽の光に七倍した位な輝き方であります。日は真愛を現し月は真信を現し、星は善と真との知識を現し給ふのであります。」（第47巻　天国巡覧　下層天国）
     
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9. • • 9. ふぁーとぅーあんたれす
     • 2021年05月14日 03:03
     • >>8
       コメントありがとうございますm(_ _)m
       神武東征で長髄彦らの目を眩ました金鵄（金のトビ）は天界の太陽なのか、次回の予定です。
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10. • 10. 大本柏分苑です。
    • 2021年05月14日 21:17
    • ひのもと救霊会ではお筆先を重んじ、仁二郎はお筆先の解説者と位置づけられる。高橋は母が信者だった天理教で、教義の講義を受け、合理化されてそうおかしな所は無いが、手踊りという祈祷の形式・実践には適合できなかった。宗教を彼岸的な奇蹟から、此岸的な論理の世界へと移行する民衆宗教の物語を語り出す。皇国救世軍の小窪と仁二郎の公開討論の場面がある。いたずらに女性的な忍従を説き、現実の問題を解決せず身を滅ぼし国を亡ぼすだけだと批判する小窪に対し、徳川の末より明治にかけての動揺期に、男達の支配の思想が虚偽に満ち、儒教・仏教思想も仁や慈悲を唱えながら、公から女を締め出し、聖地からも女人禁制のタブーで不浄視した。貧しい階層の女性こそが苦しめられる存在で、人間としての痛切な認識を持ち得る存在だと仁二郎は応じた。救霊会では独特な教姉教弟制度があり、救いを求める未亡人や廃婦に選択権のある、青年独身者との男女関係が許されたとする。仁二郎の妻となる八重は没落士族の娘で、絹糸工場で働いていた。工場で布教した救霊会が女性の反抗を扇動し終末意識をかき立てたして、本部に怒鳴り込む。応対に出た仁二郎の不思議な人格に魅せられ、逆に争議を指導する。救霊会は女性の思想を核に持ちながら、代表者は男性に限定した。その弾圧事件では第1次対戦やシベリア出兵の遺族に対し、誇張して非戦熱を煽ったという。収監された仁二郎は獄中で死亡し遺書を残す。一方、小窪は教団から分離独立、皇国救世軍を立ち上げ、国家主義団体として歩み、救霊会に対して組織の合体を求め、行徳阿礼（八重の長女）との婚姻を進める。不毛な合体で結婚の破綻、敗戦後、進駐軍の将校に皇国救世軍とは関係ないと阿礼は吐き捨てる。婚姻を通じた教団の維持を期待された阿礼に、象徴される無垢な女性的存在としての救霊会は、敗戦後、新教主として千葉を迎える。
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11. • • 11. ふぁーとぅーあんたれす
      • 2021年05月15日 02:56
      • >>10
        コメントありがとうございますm(_ _)m
        阿礼は稗田阿礼から取った名でしょうか。行徳は寧ろ『敦煌』の趙行徳を思い出します。倭から日本への改字は好字令の一環で「ひのもと」は後世的と思われます。
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12. • 12. 大本柏分苑です。
    • 2021年05月15日 20:33
    • 仁二郎が千葉と言葉を交わす。おぬし神を信じるのか、きっぱりと信じませんと答えた。しかし見どころのある少年のようじゃな。この異物性は高橋自身の姿が色濃く反映されている。マルクス、レーニンは元々プロレタリアートではなかったよ。信仰を持たない運動家の思想・理想を救霊会に委任する倫理性を問いかける。救霊会は外部の男性により、変化させられる受動的な女性としてジェンダー化される。仁二郎の獄中遺書では、信徒達は弾圧者への怒りや怨みを戒め、風雨にさらされた苦しみを思えと今は審きの時、富裕層、天皇に対する呪詛の言葉を投げつける。新興宗教の宗教的情念に報われない苦しみがあり、死後の報いを求める来世信仰を生み、他方現世でこそ報われる思想も生じてくる。死の方向と世直し性が同時的に共存する。男性的な罪の主体と女性的な迫害の客体が出会い、先導する前衛的発想がある。これまで日本人はいやというほど血を流してきた。戦いに敗れた時は、もう2度と戦争をしない、あり得ないと思う。その祈願は幻想にすぎず、10年も経たぬうちに同じ事を繰り返し始める。切開し膿みをだしても根は剔抉されないからである。
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13. • • 13. ふぁーとぅーあんたれす
      • 2021年05月16日 04:30
      • >>12
        コメントありがとうございますm(_ _)m
        江戸時代は長い平和が実現していました。明治維新の美化は江戸時代を否定する思想と一体であり、江戸時代の再評価が為されるべきでしょう。
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14. • 14. 大本柏分苑です。
    • 2021年05月16日 20:40
    • 現界は自然界の太陽や月は天空に輝き渡って居りますが、太陽に比すべき愛と、月に比すべき信と星に比すべき善と真との知識を亡ぼして居ますから、天国の移写たる現実界も今日の如く乱れ果てたのです。聖言には此等の諸徳亡ぶる時、此等の諸天体暗くなり其光を失ひて空より落つ、と云はれているのです。大神の神愛の如何に大なるかは現界に輝く太陽との比較によって推知する事が出来るでせう。神の愛なるものは頗る熱烈なる事が窺はれませう。大神様は現実界の太陽の如く、直接に高天原の中空に輝き給はず、その神愛はおひおひ下降するに従って熱烈の度は和らぎ行くものです。和らぎの度合は一種の帯をなして天界太陽の辺を輝き亘り、諸々の天人は此太陽の内流によって自らの身を障害せざらむが為め、適宜に薄い雲の如き霊衣を以て其身を覆うて居る。高天原に於ける諸々の天国の位置は、其処に住める天人が神の愛を接受する度合の如何によって、大神の御前を去る事或いは遠くなったり、近くなったりするものです。高天原の高処最高天国に居る天人は愛の徳に住するが故に、太陽と現れたる大神の御側近く居るものです。されど最下の天国団体にあるものは信の徳に住する故に、太陽と現れ給うた大神を去る事最も遠きものであります。ここは高天原の最下層第三天国の中でも最も低い処ですから、太陽と現れました大神の御光を拝する事が余程遠くて、現界の太陽を拝する如く明瞭に分からないのです。最も不善なるもの、暗黒界の地獄に居るものの如きは、大神様の目の前を去る事極めて遠く且つ太陽の光に背いて居るものである。其暗黒界に於ける神と隔離の度合は、善の道に背く度合に比するものである。極悪の者は到底少しの光も見る事が出来ず、無明暗黒の最低地獄におつるものであります。（第47巻　天国巡覧　下層天国）
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15. • • 15. ふぁーとぅーあんたれす
      • 2021年05月17日 03:25
      • >>14
        コメントありがとうございますm(_ _)m
        聖言にはヨハネの黙示録も含まれそうですね。世界の崩壊と再生は一瞬ごとに起きているのに、なかなか自覚されません。天界も固定したものではないと思われます。
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