ヤマトタケルは日本古代の伝説的な英雄であり、実在したか否かを論じてもあまり意味はないと思います。伝説通りのヤマトタケルは実在しないが、伝説の一部に当たる人物は多くいたのかもしれません。ここで問題になるのは日本書紀の中での年代です。
ヤマトタケルの父、景行天皇の在位年は西暦71年から131年ですが、その在位2年目にヤマトタケルの母に当たる女性を皇后に立てたという記事があり、その後に大碓命と小碓命(後のヤマトタケル)の記事が続くことから、日本書紀はヤマトタケルの誕生を西暦72年としているように見えます。しかし在位27年目のヤマトタケル西征時、彼は16歳だったと書かれていて計算が合いません。おそらく大碓・小碓の記事は後日談として付加された記事に過ぎず、彼の誕生は在位12年目(西暦82年)と解釈すべきでしょう。もちろんこの年代は史実とはほぼ考えられません。
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