カテゴリ: エッセイ

産業革命やフランス革命に先立って16~17世紀のヨーロッパで「科学革命」が起こり、その思想的影響が大きかったことは確かです。その一つがコペルニクスの地動説に始まる宇宙像の転換であり、地上世界と天上世界を全く別のものと見る中世的な宇宙像の崩壊でした。最終的にはニュートンにより、地上の石ころも天上の月や星も同じ万有引力の法則で運動していることが明らかにされました。この意味で、ニュートンは人類史上最大の人物と言えます。
しかし、村上陽一郎氏らに代表される従来の科学史では、数学の役割が過小評価されているように思います。ガリレオ・ガリレイは天文学者、物理学者のイメージが強いですが、実際は数学の教授でした。ガリレオの数学の師となったオスティリオ・リッチは三次方程式の解法の発見で名高いタルタリアの弟子でした。ニュートンもアルキメデス、ガウスと並ぶ史上三大数学者の一人であり、パスカルの三角形に現れる二項定理や微分・積分学の創始で名を残しています。数学革命は科学革命に欠かせなかったと言えるでしょう。
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「三角形」シリーズが続きましたが、「冬の大三角」が夜空によく見えています。これはオリオン座のべテルギウス、大犬座のシリウス、小犬座のプロキオンから成る三角形で、冬の天の川付近にあります。
大三角といえば「夏の大三角」のほうがよく知られていると思われますが、これは琴座のヴェガ、鷲座のアルタイル、白鳥座のデネブから成り、夏の天の川付近にあります。ヴェガは七夕の織女、アルタイルは七夕の牽牛であることも有名です。
銀河系の実像から見ると、「夏の大三角」アルタイルとヴェガは地球を含む太陽系に近く、デネブは遥か遠方になります。近いと言っても数十光年の単位であり、遠方は数千光年の単位です。これは「冬の大三角」も似ており、シリウスとプロキオンは太陽系に近く、ベテルギウスは遠方に存在します。
「秋の大三角」はありませんが、「さんかく座」という星座はあります。小さな暗い星座ですが、M33という銀河がこの星座の方向になります。M33は銀河系、アンドロメダ銀河と共に小さな銀河群を形成しているようです。こうした宇宙のことをたまに考えてみるのは良いことだと思います。
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パスカルの三角形はイタリアでは「タルタリアの三角形」と呼ばれます。タルタリアは三次方程式の解の公式を発見した数学者で、本当の名前は別にありますが、子供の頃に戦争の被害を受けて普通に話せず、「どもり」を意味する渾名で呼ばれた人物です。
その「タルタリアの三角形」の名は、次のように全く違う数式群にも付けられています。

1+2=3
4+5+6=7+8
9+10+11+12=13+14+15

以下、無限に続きます。最初の式はともかく、2番目以下はなかなか気が付かないと思います。
次の数式群も同じ名前が付いています。

3^2 + 4^2 = 5^2
10^2 + 11^2 + 12^2 = 13^2 + 14^2
21^2 + 22^2 + 23^2 + 24^2 = 25^2 + 26^2 + 27^2

これも無限に続きます。最初の式はピタゴラスの定理で有名ですが、この数式群の作り方も研究すると面白いかもしれません。
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先週の続きです。
昔、パスカルの三角形の1段目の数字「1」が省略されることが多かったのは、別の理由があったかもしれません。この「1」は「ゼロのゼロ乗」に当たり、数学的に議論が多いところです。
0の1乗は、0そのものでもちろん0です。
0の2乗(0かける0)も0で、3乗、4乗・・・もすべて0です。
0以外の数は0乗すると1になります。
0の-1(マイナス1)乗は0分の1で「計算できない」とするのが普通ですが、「無限大」と見ることも可能です。-2乗、-3乗・・・も同じです。
これらを総合的に考えると、0の0乗は1とするのが一番良いように思われます。0と無限大の中間は1と考えられるからです。
1を中心として、一方には2, 3, 4, ・・・と無限に大きくなる数列を考える。
他方には2分の1、3分の1、4分の1、・・・と無限に0に近づく数列が考えられる。
1でなくとも有限の値なら2でも100でも同じことですが、1が一番自然ではないでしょうか。
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「パスカルの三角形」はフランスのパスカルに因んだ名前ですが、中国、インド、イランでは別の名前で呼ばれ、世界的に有名な数字の列です。
最上段は1
2段目は1, 1
3段目は1, 2, 1
4段目は1, 3, 3, 1
…と無限に続きます。
特に確率論で有用で、例えば3段目を見ると、2枚の硬貨を同時に投げて
2枚とも表が出る確率は1/4
1枚が表、1枚が裏の確率は2/4 = 1/2
2枚とも裏が出る確率は1/4
であることが分かります。
私が昔読んだ数学書では「パスカルの三角形」は2段目から始まっていて、1段目は無いのが普通でした。0枚の硬貨を投げるなど無意味と考えられるからでしょう。しかし0枚の硬貨は集合論で言えば「空集合」に当たり、極めて重要と考えられます。アメリカの1ドル紙幣にはビラミットが描かれ、その上に何者かの目が印刷されていますが、空集合は神の数学的表現かもしれません。
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