タグ:ノンフィクション、エッセイ

数学者の小野勝次氏が言っていましたが、「左右」を数学的に定義することは出来ないそうです。「詮索しなければ誰でも分かっていると思うことが、詮索すると誰にも分からなくなる」のです。
「左右」は「前後」と同様、人間の身体と結びついた概念で、数学や論理学とは無関係です。人体は前後では大きく違いますが、左右では心臓や利き手など、微小な相違しかありません。それで人間は「前後」はあまり意識しないが、「左右」は強く意識するのです。
鏡に映すと左右が逆になると勘違いしたり、左右が逆になるのに何故上下は変わらないのかと不思議がる人がいますが、正しくは鏡に映すと前後が逆になるのであって、左右も上下も変わりません。
「上下」は少し違います。「上半身」「下半身」という表現はありますが、逆立ちしても上下は入れ替わらないと考えられているので、むしろ地球と人体の間に働く重力と結びついた物理的な概念のようです。「下」は地球の中心方向を指し、「上」はその逆方向になります。
「東西南北」は天文学の概念であり、これも数学や論理学とは無関係です。
交通誘導の仕事をしていると、嫌でも左右を強く意識します。これまでの人生で身体を軽視してきた報いを今の私は受けているのかもしれません。
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「父殺し」に注目したフロイトに対して、ユングは「母殺し」を強調したことが知られています。ヘラクレスやスサノオの怪物退治の神話は、「グレート・マザー」の暗黒からの解放を表すとユングは考えました。
ユングについては、ナチスに協力的だったという批判がありますが、現代の日本で強大な権力を持つ広告代理店もナチスの手法を学び、視聴者を支配している面があります。麻生太郎氏がうっかり「ナチスに学んだらどうか」と口を滑らせたのは大きな意味があります。悪をただ批判するだけでなく、なぜ彼らが強大な権力を持ってしまうのかを考えることが必要でしょう。それは個人の精神と深い関係がありそうに思われます。
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11日公開の予定でしたが間違えてしまいました。仕事疲れ?次回公開日は未定です。

私が子供の頃憧れた人物の一人にフェルディナンド・マゼランがいます。言うまでもなく史上初の世界周航者であり、二百数十人の隊員のうち十数人しか残らなかった「死の艦隊」を率い、彼自身もフィリピンで戦死するという劇的な生涯でした。
史上初の世界周航にも関わらず、マゼランは世界史でそれほど重要人物とは見なされていません。彼らが航海したマゼラン海峡からフィリピンに至る太平洋横断航路は実用性に乏しく、後にはメキシコ航路が使われるようになります。
マゼラン海峡もそうですが、やはり彼の名を冠した「大マゼラン雲」「小マゼラン雲」は銀河系の切れ端のような銀河で、その名を不朽のものにしています。
5隻の船のうち最後まで残ったビクトリア号の舵手ピガフェッタは、毎日欠かさず書いていた航海日誌が一日ずれていたことに驚きましたが、これは世界周航の証明でもありました。
昔の本では「マゼランは土人と戦った」などと平気で書かれていましたが、こうした記述は現代では見直されています。
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工事現場などでは「安全第一」と書いた看板をよく見かけます。しかし「安全第一」が強調される背景は、本当は「安全第一」ではないからだと思います。「安全第一、効率第二」という標語もありますが、本当は「効率第一、安全第二」なのでしょう。
工事自体が無ければ、誰にも危険はありませんが、それでは失業して生命を脅かされる人がいます。今の自分がそうです。「工事第一、安全第二」が真実かもしれません。
工事は本当に必要なのか?無駄な公共事業が多いのではないか?という疑問は確かにあります。しかし「無駄」「必要」という基準で考えると、よく分からなくなります。人類の存在自体、地球にとっては無駄かもしれませんし、地球の存在自体も無駄かもしれません。
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三島由紀夫は稲垣足穂を高く評価していました。自決直前に行われた澁澤龍彦との対談では、「僕がこれから行動して、日本中が僕を笑ったとしても、稲垣さんだけは分かってくれると思う」と語っています。二人は会ったことはなく、足穂は三島の死後も、低い評価しか与えませんでしたが。
三島は本当は足穂のように生きたかったが、平岡梓の息子に生まれたために、それが出来なかったのではないかと私は思います。
自分に引き付けて考えすぎかもしれませんが、私の父は平岡梓に似たところがあります。三島と足穂はどちらも私の好きな作家でしたが、足穂的な生き方には憧れながらも決して自分には出来ないだろうという直観がありました。
誰でも自分の限界は超えられないような気がします。
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