タグ:物理学

15日は「海の日」だったようです。この祝日が出来た当時は7月20日でした。その由来が「明治天皇が横浜港に着いた日」とかで、呆れた記憶があります。それでも、最近出来た「山の日」よりはましかもしれません。8月11日には何の由来も無いとか・・
それはともかく、梅雨明け後は暑くなるかと思うと憂鬱です。日本では一番暑い時期が夏至より一か月余り遅く、一番寒い時期は冬至より一か月余り遅くなりますが、これは日本が海に囲まれた島国であるためです。お湯を沸騰させるのには時間がかかりますが、水は比熱が大きく、暖まりにくく冷えにくい特徴があります。大陸の国では暑い時期は夏至から余り遅れず、寒い時期も冬至から余り遅れません。
梅雨がいつまでも明けないといいのですが。
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シュレーディンガーは量子力学の建設で重要な役割を果たした物理学者ですが、晩年は第一線からは退き、むしろ哲学的な思索を深めました。その点ではアインシュタインに似たところがあります。
『生命とは何か』(岩波文庫、岡小天・鎮目恭夫訳)では物理的に見た生命の本質が考察されます。

生物体というものがはなはだ不思議にみえるのは、急速に崩壊してもはや自分の力では動けない「平衡」の状態になることを免れているからです。
(中略)過ぎ去った一頃しばらくの間、われわれはエネルギーを食べて生きているのだと教えられて、われわれの穿鑿好きが沈黙させられたことがあります。或る非常に進んだ国で、レストランの献立表に値段の他に一つ一つの皿のカロリー(エネルギー含有量)が書いてあったことがありました。わざわざいうまでもないことですが、文字通りとれば、これもまったく同様におかしなことです。なぜなら成熟した生物体にあっては、エネルギー含有量は物質含有量と同じく一定です。どんなカロリーだって、別のどんなカロリーとも同じ値打があることは確かですから、単なる交換がどんなに役に立つのかは理解できないでしょう。

シュレーディンガーの答えは「生物体は負(マイナス)のエントロピーを食べ、エントロピーを捨てて生きている」というものです。エントロピーはエネルギーを絶対温度で割った物理量で、統計的には「無秩序さの程度」を表します。従って、マイナスのエントロピーは「秩序の程度」を表します。生物体は周囲の環境から「秩序」を引き出し、「無秩序」を外に捨てることで維持されているわけです。
物理学では「エントロピーは常に増大する」という法則があります。これを「熱力学の第二法則」とも言います(第一法則は「エネルギーの保存則」です)。熱いコーヒーは冷めていって周囲の温度と同じになりますが、そのコーヒーがひとりでに周囲よりも熱くなって沸騰することはありません。人間が手を加えれば別ですが。
食べ物や飲み物は色彩も匂いも味もバラエティー豊かですが、排泄物(糞尿)は色も匂いものっぺらぼうで、いかにもエントロピーが高そうです。
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