両親を見ていると、老いの難しさが痛感されます。若いうちに死なない限り、老いは誰にでも来ますが、三島由紀夫が老いを恐れたのも分かるような気がします。
現代は医学の進歩により、平均寿命が著しく伸びています。日本書紀によると初期の天皇たちはみな長寿ですが、これは数字通りには信じられないとして、上皇が譲位を決断したのも時代の要請と言えるでしょう。
『天人五衰』では本多繁邦の老醜に対して綾倉聡子の美しい老いが描かれていますが、聡子といえども更に長生きすれば老醜を晒さざるを得なかったと思われます。人は老いと死を知ることは可能ですが、信じることは不可能なのかもしれません。
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