旧約聖書の『創世記』にはアダムの次男アベルを殺して追放された長男カインの系図と、三男セツの系図が分けて記載されています。このうちセツの系図は歴代の「子供を生んだ年齢」と「死んだ年齢(享年)」が記されており、日本書紀の歴代天皇より長い不自然な長寿になっていることで有名ですが、カインの系図にも奇妙な記事があります。
カインはその妻を知った。彼女は身ごもって、エノクを生んだ。彼は町の建設者となり、その町をその子の名に従ってエノクと名づけた。(関根正雄訳)
アダムとエバが最初の人類ならば、この「妻」は誰でしょうか。三人だけで「町」を建設したのでしょうか。続く記事も奇妙です。
エノクにはイラデが生まれた。イラデはメフヤエルを生み、メフヤエルはメトシャエルを生み、メトシャエルはレメクを生んだ。レメクは二人の妻を娶った。そのひとりの名はアダといい、他のひとりはチラといった。アダはヤバルを生んだ。彼は天幕と群の間に住む者の先祖となった。彼の弟はユバルといった。彼は琴と笛とを扱うすべての者の先祖となった。チラもまたトバルカインを生んだ。彼はすべての銅と鉄の鍛冶の先祖となった。
ノアの洪水でノア夫妻、セム夫妻、ハム夫妻、ヤペテ夫妻の八人を残して人類は一度滅びたはずですが・・?
日本書紀の「一書に曰く」のような異伝とも見られますが、スウェーデンボルグはアダムを人類の始祖とは考えず、神から霊感を得て「原古代教会」を創設した人々を意味すると考えます。ノアの洪水も「霊的な」洪水であり、物理的に人類が滅びたわけではなく、堕落した人類を再興させる「古代教会」を建てた人々をノアと呼んでいると言うのです。
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