2021年05月

内田樹氏が発言していましたが、村上春樹は作家について「自分のヴォイスを見つけた人」と言っているとのことです。ヴォイスが見つかると、あとは無限に書けるというのです。
村上春樹については批判的な評論家も多いようですが、内田氏は高く評価しており「とても宗教的な作家だ」とも発言しています。私も何冊か読んだだけですが同じ印象を持っています。表面的なシティライフなどではなく、死者や異界との交流が大きなテーマになっているから世界的に読まれているのでしょう。
ただ「ヴォイス」(あるいは「文体」と言ってもよいでしょう)には落とし穴もありそうです。稲垣足穂は「一度でも新聞小説を書いたら終わりだ。そういう人間が何を言おうと自分は信用しない」と書いています。ヴォイスや文体が本物かどうかは、それほど容易には判断できないと思われます。
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これは二人の対談による本ですが、内田という人は私に世界観が近いようで、前から関心を持っていました。二人は「第三期宗教ブーム」の1975年起源説を唱えていますが、内田氏の説明が面白いです。

69年まではわりと明るかったんですよ。70年の声を聞いてからですよ、暗くなったの。(中略)暗くなってきたのは「あっち」と「こっち」に分裂してからだと思います。日本人が共通の価値観を共有できなくなった。アメリカ型の「成功」を求める人たちと、「そういうのはオレ的には全然」という人たちに分かれた。

二人は「カウンセラーは信用できない」という点でも一致します。私もお世話になったことがあるのでよく分かります。全員が自由で自立できるわけではないのです。
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神武天皇の最大の敵であった長髄彦(ながすねひこ)は謎に包まれた人物です。長髄彦が仕えていたというニギハヤヒノミコトも物部氏の祖とされ、神武と同じ天神の子であったとされていますが、やはり謎めいた存在です。
私は以前から神武天皇は西暦100年頃に実在した人物であり、『後漢書』に現れる倭国王の帥升ではないかと考えていますが、57年に光武帝から金印を与えられた倭奴国の王がニギハヤヒであり、大夫が長髄彦と考えると面白いと思います。金印が福岡県の志賀島で出土したため、このような考え方をする人はいませんが、金印は移動しやすいこと、大和の奈良(那羅)という地名も古いことを考えれば、それなりに有り得ると考えられます。
長髄彦との戦いで神武天皇を助けた金鵄(金のトビ)の伝説は、金印の記憶が反映しているかもしれません。
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妹の話の続きです。私のしつこい調査の末、ようやく見つけることが出来ました。めでたしめでたし、と言いたいところですが、そうも行かないのが世の常です。
妹は今の仕事を言いたくないと言うのです。無理に言わせるわけにもいかないので、今はそっとしています。
妹がいなくなった頃を思い出してみると、母が私に「娘はパチプロをしている」と言ったことがあります。言うまでもなくパチンコやスロットで稼ぐ人のことですね。普通に考えるとギャンブルは主催者が儲かるように出来ているので、その裏をかいて稼ぐのは大変なことだと思われます。
ウィキペディアで「パチプロ」を調べると「社会一般では職業と認められず、公的には無職である」と書かれています。税金の申告等で微妙な問題もありそうです。そのために隠しているのかもしれません。いずれ続編を書くかもしれません。
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ゴールデンウィークは私の子供のころからありましたが、様変わりしたところもあります。いくつか挙げてみましょう。
4月29日は昭和の敗戦前は「天長節」敗戦後は「天皇誕生日」で、平成になって「みどりの日」になり、さらに「昭和の日」に変わりました。「みどりの日」が5月4日に移動しましたが、この意味はよく分かりません。平成の初めから「昭和の日」でも良かったと思いますが、11月3日の「文化の日」(敗戦前は「明治節」)は「明治の日」にならないようです。明治維新の美化に励んできたNHKは何か言い出してもよさそうですが。
今日は憲法記念日ですが、護憲派は「政治的」と言われてお上から睨まれるようですね。憲法自体が政治的存在ですし、改憲派のみが認められるのはまさに「政治的」です。
5月5日は本来は男の子の祝日ですが、なぜか男女共通の「こどもの日」だそうです。3月3日を「婦人の日」にする動きも昔ありましたが、立ち消えになりました。元日や七夕もそうですが、旧暦で祝われてきた行事を新暦で祝う不自然さは残ります。
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