人間の一生を誕生から死までと見るのは普通の考え方です。しかし、よく考えてみると実に奇妙なことです。
全くの無から何かが生まれ、何かが死んで全くの無に帰するということが有り得るでしょうか。誕生や死に際しては、新しい物質が出現したり消滅したりするわけではありません。ただ原子や分子など、物質の結合状態が変化するだけです。科学的に見れば、生命とは物質の結合と分離が生み出すシステムだと考えられます。
物質の結合に過ぎないものが何故意識を持つのか。意識は幻想に過ぎないと見る考え方もあります。
世界で固定した永続的なものは何もありません。これは万物流転を唱えた哲学者ヘラクレイトスの思想です。しかし世界の背後に生まれも滅びもしない、全く変化しないものがあるかもしれません。これはパルメニデスの思想であり、永遠に対立する二つの世界観だと考えられます。
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