天孫降臨神話の主人公ニニギノミコトと日本に帰化した新羅の王子アメノヒボコは、全く別の人物(神)と考えられています。しかし、この二人は同一人物の可能性があります。
ニニギノミコトは略称であり、『古事記』での名前はアマツヒコヒコホノニニギノミコトです。繰り返されている「ヒコ」を一回に縮めるとアマツヒコホノニニギノミコトとなり、「アマツヒコホ」は「アメノヒボコ」に似ています。
ニニギノミコトの子であるホオリノミコト(山幸彦)と、その孫である神武天皇は『日本書紀』ではヒコホホデミという同名の人物になっています。この「ヒコホ」も「ヒボコ」に似ており、もはや地上の人物であるため「アマツ」が落ちたと考えられます。
以前の投稿で神武天皇の母と祖母が楽浪郡の王氏である可能性を指摘しましたが、朝鮮半島の任那(加羅)にあったとされる金官国の始祖・首露王にも降臨伝説があり、後漢の光武帝の時代とされています。首露王は百五十八年間在位したと伝えられていますが、ホオリが高千穂宮に五百八十年間いたと『古事記』が伝えるのと関係があるかもしれません。
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