日本で大化に次ぐ2番目の元号は「白雉」(650年~654年)です。一般に「はくち」と読まれていますが、『釈日本紀』では「しらきぎす」と読んでいます。前回の「朱鳥」(あかみとり)と同じく、この元号も訓読みだった可能性があります。
『日本書紀』に載っている神武、崇神など歴代天皇の漢風諡号も後で書き加えられたもので、当初はカムヤマトイハレヒコ、ミマキイリヒコなど和風の名前しかなかったことを考えると、白雉や朱鳥が訓読みだったのは不思議なことではありません。
ただ最初の元号の「大化」だけは音読みであったと思われます。この元号は白いキジ、赤い鳥という具体的なものではなく抽象的な漢語であって、和語にはなじまないものです。「大化の改新」は掛け声倒れに終わり、実際の改革は数十年遅れたと言われますが、元号の読み方からもそれが窺えるようです。
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