元号を調べていて考えたことですが、学校の日本史の授業では西暦を覚えさせています。これは危ない面があります。
古代や中世の日本人は西暦の中で生きていたわけではありません。藤原道長は西暦1000年前後に生きていましたが、彼はヨーロッパの世紀末思想とは無縁でした。
もっとも日本では末法思想というものがありました。これは仏教の釈迦の入滅から2000年後と考えられていた時期に前九年の役が始まり、たまたま西暦1000年に近い時期に当たってはいましたが、西暦で世界史を見る危うさを示しています。
年だけではなく、月日もそうです。旧暦の11月や12月は新暦では次の年の1月、2月になりますが、これでは昔の日本人の心の中に入っていくことは出来ません。今の暦では「月」の本来の意味が完全に失われており、複雑な計算をしなければ月齢も分かりません。こうしたことには注意しなければなりません。
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