忘れられがちな存在ですが、ヤマトタケル(小碓命)の双子の兄とされる大碓(おおうす)命がいます。弟と違って弱い兄で、『古事記』によれば父の景行天皇に無礼を働き、弟の小碓命にあっさり殺されてしまったとされています。『日本書紀』ではそのような話はありませんが、天皇から蝦夷の討伐を命じられて恐怖から辞退し、代わってヤマトタケルが派遣されたと書かれていて、やはり弱い兄というイメージです。
この大碓命の墓が愛知県の猿投(さなげ)山の山頂近くにあります。猿投神社の社伝によれば大碓命は三河地方の開拓に力を尽くした功労者とされていて、記紀とは印象が違います。ヤマトタケルは蝦夷討伐の帰途に伊吹山の神に苦しめられて亡くなりましたが、大碓命も猿投山で毒蛇に咬まれて亡くなったと社伝では伝えられています。
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